USAIDとは。なぜ解体されるのかわかりやすく解説!日本への影響は? | TSUKUHOTE BLOG

USAIDとは。なぜ解体されるのかわかりやすく解説!日本への影響は?

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トランプ大統領が就任してから政策の一つとして、USAIDの解体が進められています。

日本では聞き馴染みのない、この機関は一体何なのでしょうか?

そして、解体されると日本にどのような影響があるのでしょうか。

わかりやすくまとめてみました。

この記事からわかること!
  • アメリカ合衆国国際開発庁「USAID」とは
  • なぜ解体しようとしている?
  • 日本への影響は?

アメリカ合衆国国際開発庁「USAID」とは

設立:1961年、ジョン・F・ケネディ大統領によって設立

統治:アメリカ合衆国国務省の管轄下にある独立機関

目的:世界の発展途上国に対する経済援助と人道支援

活動分野:貧困削減、経済成長、民主主義推進、人道支援など

活動地域:世界100カ国以上

アメリカ合衆国政府の独立機関であり、世界の発展途上国に対する経済援助や人道支援を主な目的としています。

アメリカ合衆国政府の機関であり、活動には国民の税金も使用されているようです。

主な活動内容は以下に示します。

教育分野

  • 学校建設・改修: 老朽化した学校の改修や、人口増加に対応するための新しい学校の建設。アフリカ(例:ガーナ、エチオピア)、アジア(例:アフガニスタン、ネパール)、中南米(例:ハイチ、グアテマラ)などの発展途上国で実施。
  • 教員育成: 教員の質を向上させるため、研修プログラムを実施したり、教育大学との連携を強化。上記の国々に加え、中東(例:ヨルダン、レバノン)、東欧(例:ウクライナ、モルドバ)などでも実施。
  • 教材提供: 教科書や教材の提供、デジタル教材の開発。主に世界各地の発展途上国で実施。
  • 女子教育の推進: 女児の就学率向上や、教育の質の向上を目指し、様々なプログラムを実施。

保健分野

  • 感染症対策: HIV/AIDS、マラリア、結核などの感染症予防、治療、ケアに関する活動。特に、HIV/AIDS、マラリア、結核などの流行地域で重点的に。
  • 医療施設建設・医療機器提供: 病院や診療所の建設、医療機器の提供。医療体制が脆弱な地域(例:中央アフリカ共和国、南スーダン)で重点的に実施。
  • 医療従事者育成: 医師、看護師、助産師などの医療従事者の育成を支援。医療人材不足が深刻な地域(例:リベリア、シエラレオネ)で重点的に実施。
  • 母子保健の改善: 妊産婦の健康管理、新生児ケア、予防接種などのプログラムを実施。特に、妊産婦死亡率や乳児死亡率が高い地域(例:アフガニスタン、チャド)で重点的に行われる。

農業分野

  • 食糧生産の安定化: 農業技術指導、優良品種の導入、灌漑施設の整備などを行い、食糧生産量の増加を目指す。アフリカ(例:エチオピア、ケニア)、アジア(例:ベトナム、カンボジア)、中南米(例:ホンジュラス、ニカラグア)などの発展途上国で実施。
  • 農業技術指導: 農家に対して、より効率的で持続可能な農業技術を指導。農業生産性が低い地域(例:マリ、ブルキナファソ)で重点的に実施。
  • 灌漑施設整備: 灌漑施設の整備や改修を行い、乾燥地や水不足地域での農業生産を支援。乾燥地や水不足地域(例:サヘル地域、中東地域)で重点的に実施。
  • 農村地域の開発: 農村地域のインフラ整備、生活改善、雇用創出などの活動。農村部の貧困層が多い地域(例:インド、バングラデシュ)で重点的に実施。

インフラ分野

  • 道路、橋、港湾などの建設: 物流の効率化や人々の移動を促進するため、道路、橋、港湾などのインフラ整備。アフリカ(例:タンザニア、モザンビーク)、アジア(例:ラオス、ミャンマー)、中南米(例:ペルー、コロンビア)などの発展途上国で実施。
  • 発電所建設: 電力供給の安定化を図るため、発電所の建設や改修。電力不足が深刻な地域(例:アフリカ、東南アジア)で重点的に実施。
  • 通信インフラ整備: 電話、インターネットなどの通信インフラを整備し、情報へのアクセスを向上。情報格差が大きい地域(例:農村部、山間部)で重点的に実施。

環境保護分野

  • 森林保護: 森林伐採の抑制、植林活動、森林管理の改善などを行い、森林資源の保護を目指す。熱帯雨林地域(例:アマゾン、東南アジア)、森林減少が深刻な地域(例:マダガスカル、インドネシア)で重点的に実施。
  • 水資源管理: 水資源の適切な利用、水質汚染対策、節水技術の普及などを行い、水資源の保全を目指す。乾燥地や水不足地域(例:中東、アフリカ)で重点的に実施。
  • 再生可能エネルギー推進: 太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーの導入を促進し、持続可能なエネルギー供給体制を構築。再生可能エネルギー資源が豊富な地域(例:太陽光が多い地域、風力発電に適した地域)で重点的に実施。
  • 気候変動対策: 気候変動の影響を緩和するための対策や、気候変動に適応するための取り組みを支援。気候変動の影響を受けやすい地域(例:島嶼国、沿岸地域)で重点的に実施。

民主主義・人権分野

  • 選挙支援: 公正な選挙の実施を支援するため、選挙制度改革、選挙監視員の育成
  • 法の支配強化: 司法制度改革、法教育、人権擁護活動などを行い、法の支配が確立された社会を目指す。
  • 人権擁護: 人権侵害の防止、人権教育、人権擁護団体の支援などを行う。
  • 市民社会育成: 市民社会組織の活動を支援し、市民参加を促進

人道支援分野

  • 自然災害や紛争などによる緊急事態への対応: 自然災害や紛争が発生した場合、緊急支援物資の提供、避難民の保護。自然災害発生地域(例:地震、台風、洪水)、紛争地域(例:シリア、イエメン)で迅速な支援活動。
  • 食料、水、医薬品などの提供: 被災者や避難民に対して、食料、水、医薬品などの必要な物資を提供。世界各地で必要な物資を提供。
  • 避難民支援: 避難民の生活支援、医療支援、教育支援

かなり幅広く活動を行っており、助けられた国も多い事が理解できます。

さすがUSAですね!

解体する理由は?

BBC NEWS JAPANより引用

このような素晴らしい活動をしている機関をアメリカの大統領であるドナルド・トランプ氏は解体しようとしているようです。

2月4日、トランプ政権は約1万人に上るUSAIDの全職員に対し、2月7日をもって休職にすると通知したのです。外国で勤務している職員は、30日以内に米国に帰国できるよう準備をするとも伝えています。最終的にほぼ全職員を解雇し、残るのは約290人というのがトランプ政権の計画のようです。

JBpressより引用

解体する理由としては、トランプ大統領は1期目(2017-2021)より対外支援に懐疑的な姿勢を取られていました。

また兼ねてから「アメリカ・ファースト」を謳ってきたトランプ氏の政策に、対外支援はそぐわないと判断されたようです。

しかし、労働組合も黙ってはいないようで、連邦地裁に訴訟を起こしたました。

トランプ米政権が対外国援助を管轄する米国際開発局(USAID)の解体を進めていることを巡って米政府職員の大手労働組合と外交職員の団体が2月6日、トランプ大統領と財務省を相手取って首都ワシントンの連邦地裁に訴訟を起こした。

Reutersより引用

このような世界最大の人道援助提供団体の解体により、一部では

アメリカは人の生死に関心がない

と捉えかねられないとの声も上がっている始末。

今後の展開が気になるところです。

日本への影響は?

日本が去年(2024年)、太平洋島しょ国の首脳たちを招いて開いた太平洋・島サミット。太平洋島しょ国では、中国が近年、インフラ整備や経済援助を通じて影響力を拡大してきたことから、日本、アメリカ、オーストラリアなどの間で懸念が広がりました。

このため、日米豪などは、連携する形で太平洋島しょ国が求める気候変動支援やインフラ支援に乗り出し、巻き返しを図ってきました。

しかし、トランプ政権の決断で、支援は停滞する見通しで、日本など同盟国によるインド太平洋戦略にも影を落とすことになりそうです。

NHKより引用

インド太平洋戦略:インド太平洋地域は、世界経済の成長センターであり、多くの国々が利害関係を持っています。しかし、近年この地域では、中国の台頭や海洋進出、北朝鮮の核開発など、不安定要素が増大しています。こうした状況を踏まえ、日本は、米国やオーストラリア、インドなど、価値観を共有する国々と連携し、インド太平洋戦略を推進しています。

つまり、USAIDの解体は日本にとっても世界にとっても不安定要素の拡大化を招きかねないことになるのでしょうか。

このように解体されることから、不安定になるなんて単純な話ではないのかもしれませんが…。

まとめ

他にも解体の理由として裏金疑惑なども上がっているようです。

どうなってしまうのでしょうか?

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