容疑者とメンバーの違いは?芸能人が書類送検されたら呼称が一般人とは違うのなぜ?

この記事は約5分で読めます。

書類送検されてきた芸能人を「メンバー」と呼称するニュースを見て違和感を感じた方はいるのではないでしょうか?

最近では斉藤慎二”メンバー”山口達也”メンバー”稲垣吾郎”メンバー”など。

なぜ容疑者や被疑者という言い方をせず、「メンバー」とするのでしょうか。

早速理由を見ていきましょう。

メンバーと呼称する理由

書類送検された段階では、まだ有罪が確定していないから

まだ有罪が確定しているわけではないので、そのため「容疑者」や「被疑者」といった言葉を使わないようです。

実は「容疑者」や「被疑者」も裁判によって罪が確定していないため「犯罪者」ではありません。ただ、「捜査機関によって疑われている人物」であり、法律上では無罪になります。

ですが日本のニュースでは「容疑者」という言葉を「犯罪者」のように扱うため、「容疑者」という言葉は使わないようです。

・まだ有罪と決まったわけではないため、「容疑者」や「被疑者」は使わない!

・しかし「容疑者」や「被疑者」も犯罪者ではない!

・ニュースなどで「容疑者」「被疑者」=「犯罪者」の概念が定着

書類送検と逮捕は違う?

そもそも書類送検ってなんでしょう?逮捕とは違うのでしょうか

書類送検と逮捕は、どちらも刑事事件において重要な手続きですが、その意味や手続きが異なります。

Q
書類送検とは?
A

警察が捜査した結果、事件の証拠などをまとめた書類を検察に送る手続きのことです。警察の捜査は終え、検察の判断により「起訴」「不起訴」を決めます

被疑者の身柄は拘束されず、書類のみを送るため、被疑者は通常通りの生活を送ることができます。

Q
逮捕とは?
A

警察が犯行の疑いがある者を現行犯で捕まえたり令状に基づいて逮捕したりすることです。証拠隠滅の恐れがある場合や、逃亡の恐れがある場合などに、逮捕が行われます。48時間以内に検察に送られ、その後、釈放されるか、または勾留されます。

被疑者は身柄を拘束され、警察署の留置所に移送されます。

ここでもう一つの疑問が生まれるかと思います。

悪いことをした場合、書類送検か逮捕どちらでしょうか?

答えは事件の性質、証拠の量、被疑者の態度など、様々な要因によって、書類送検になるか逮捕になるかが決まります。

どちらの場合も、必ず起訴されるとは限らず、有罪になるとも限りません。

いつ有罪になるの?

書類送検後の流れと有罪になるまでの流れは簡単に示すと以下になります。

書類送検後の流れ

1. 書類送検: 警察が捜査した結果を検察に送ります。

2. 検察の判断: 検察は、送られてきた書類を基に、事件を起訴するか不起訴にするかを決めます。

3. 裁判: 起訴された場合は、裁判が行われます。裁判で有罪判決が出たとしても、それが確定するまでは有罪とはいえません。

4. 判決確定: 上記の判決に対して控訴や上告ができない状態になったとき、判決が確定し、初めて有罪となります。

裁判で罪状が言い渡され、判決が下されるわけですね。

芸能人がメンバー呼称なのはなぜか?

おさらいすると「容疑者」、「被疑者」と呼ばない理由は、まだ有罪ではないからと言う理由はわかりました。

ではなぜ芸能人に限っては「メンバー」と呼ぶのでしょうか。

理由は複数あり複雑化していましたので簡単に箇条書きで示していきます。▶️をタップして開いてください。

法的な配慮:

書類送検された段階では、まだ有罪が確定しているわけではありません。そのため、「容疑者」や「被疑者」といった言葉を使うと、無罪の推定の原則に反する可能性があります。

所属グループとの関係:

芸能人の場合、多くの場合、あるグループに所属しています。そのため、「メンバー」という呼称は、その人が所属するグループの一員であるという事実を明確にすることができます。

社会的影響への配慮:

芸能人は社会的な影響力が大きく、その行動は多くの人の目に触れます。そのため、逮捕や起訴といった言葉を使うことで、当人だけでなく所属するグループやファンにも大きなダメージを与えてしまう可能性があります。

報道慣習:

報道各社は、事件を報じる際に、関係者の人権に配慮する必要があるという認識を持っています。そのため、一般的に「容疑者」や「被疑者」といった言葉の使用を控え、より中立的な表現を選ぶ傾向があります。

「メンバー」という呼称は、長年の報道慣習の中で定着したものであり、多くの報道機関が採用しています。

「メンバー」という呼称が、必ずしも法的に正しいとは限りません。書類送検された場合、原則として「容疑者」や「被疑者」と呼ぶべきだという意見もあります。

初代メンバーは誰?

初代メンバー呼びをされたのは、2001年に8月24日に公務執行妨害で現行犯逮捕された元SMAPの稲垣吾郎さんでした。

2018年の山口達也さんが初めてかと思いきや、かなり昔からあった呼称のようですね。

そのほかにも、島田紳助さんが所属事務所の女性社員に暴行をしたとして、書類送検されたときは、島田紳助”司会者”と呼ばれたこともあります。

呼称の問題はロッキード事件(1976年)にて逮捕された“元首相”田中角栄氏にまで遡る。当時は元首相を呼び捨てでいうのは如何かということで、あらゆる呼称が模索されていた。

実は「容疑者」という言葉は1984年にNHKによって作られ使われ始めた言葉なのだ!

(弁護士相談広場より)

コメント

タイトルとURLをコピーしました